横領を疑われたら、どう対応すればいいですか?【弁護士が解説】

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

弁護士の回答

横領の事実があれば素直に認めるべきでしょう。

無実であれば、潔白を主張すべきです。

 

横領とは

横領とは自己の占有する他人の物を着服、費消、隠匿することを内容とする犯罪です。

会社において、金品管理等を任されている社員がその金品等を自分のために使ってしまったような事案が典型です。

そのため、横領は、ホワイトカラー犯罪の代表例と言われています。

また、被害額が高額に達することが比較的多い事案です。

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横領を認めるか否か

会社における横領の事案では、①会社の担当者の方から横領を疑われているのか、それとも②警察等の捜査機関から取り調べを受けているのか、のいずれかの状況だと思います。

このような状況における今後の進め方については、まず、横領の事実の有無によって、具体的な対策が代わってきます。

 

横領の事実がある場合

実際に横領行為があった場合は、素直に罪を認めるべきと考えます。

罪を認め、真摯に謝罪する姿勢を見せることで、会社側が情けをかけてくれる場合もあります。

例えば、警察に被害届を出さないで、内々に済ませてくれる可能性もあります。

もちろん、経営陣の考え方に左右されるので、このような恩情があるかは一概に言えません。

 

横領の証拠がない

「証拠がないようであれば認めない方が良いのでは?」という考え方もあるかもしれません。

確かに、刑事裁判では、しっかりとした証拠がないと、有罪とはならないでしょう。

しかし、現時点ではしっかりとした証拠がないようでも、後々、証拠が出てくるかもしれません。

証拠の有無にかかわらず、横領の事実があるのにそれを嘘で塗り固めていくと、不安が増大し、自責の念にかられるのではないでしょうか。

やってしまったものは仕方ありません。

横領の事実を認め、真摯に対応する方が長い目で見ると正解だと考えます。

 

示談交渉の重要性

横領の事案では、会社が被害者となっています。

会社は、横領によって、財産上の損失が発生しているからです。

このような被害者がいる事案では、会社との示談の成否が今後の捜査や処分に大きな影響を及ぼすと考えられます。

会社との示談が成立すれば、会社が警察に被害届を提出することは考えにくいからです。

また、すでに被害届が提出されている場合、被害届を取り下げてくれるでしょう。

被害者自身が被害届を取り下げれば、逮捕される可能性は低くなります。

また、起訴される可能性も低くなるでしょう。

そのため、刑事事件では、一刻も早く示談交渉をスタートすることが重要となります。

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横領の事実がない(無実の)場合

これに対して、横領の事実がない場合は、潔白であることを主張しましょう。

この点、警察等から取り調べを受けている段階では、過酷な取り調べがなされる可能性もあります。

厳しい取り調べに対して、心身ともに疲れ果て、虚偽の自白をしてしまうおそれもあります。

一度自白調書を取られると、裁判の段階で「無理やり自白させられた」と主張しても、有罪となってしまう可能性が高いです。

このような取り返しがつかない事態に陥らないようにするために、早い段階で刑事弁護士にご相談したほうが良いでしょう。

例えば、当事務所の刑事弁護士は、過酷な取り調べに対しては、厳重に抗議したり、取り調べへの立会を求めたりします。

こうすることで、捜査機関の違法捜査を抑制し、クライアントの権利を護ることができます。

 

 

 

まとめ以上、横領で疑われている場合のポイントについて解説しましたがいかがだったでしょうか。

横領の事案では、横領の事実の有無によって、今後の弁護活動が変わります。

横領の事実があれば、素直に認め、示談交渉を開始することが重要と考えます。

反対に、濡れ衣であれば無実を証明するための弁護活動が必要となります。

いずれにせよ、これらの活動には、弁護士の熱量ときめ細やかなサポートが必要となるため、刑事事件に精通した弁護士へのご相談をお勧めいたします。

 

 

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

実績紹介 / 刑事事件の相談件数年間200件超え(2019年実績)を誇るデイライ

ト法律事務所の代表弁護士。法律問題に関して、弁護士や市民向けのセミナー講

師としても活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおいて法

律問題についての取材実績がある。「弁護士プロフェッショナル」等の書籍を執

筆。


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