上訴(控訴・上告)したい【刑事弁護士が解説】

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

掲載日:2017年2月7日|最終更新日:20201月8

 

裁判所の判決に対して、納得がいかないことは多くあります。

裁判所に事実誤認、不当な量刑、手続違反などがある場合、これに対して、弁護士は控訴、上告、再審の申立て等をサポートすることが可能です。

 

 

上訴とは

上訴とは、未確定の裁判に対して、上級裁判所に救済を求める制度のこといい、控訴、上告、抗告は上訴の一種です。

なお、上訴は、未確定の裁判に対する不服申立てという点で、確定裁判に対する再審や非常上告と異なります。

 

 

控訴とは何か

裁判所のイメージ画像第一審判決で、不当な判決を受けた場合、例えば、無実なのに有罪判決を受けてしまった場合や、執行猶予付き判決を受けるべき事案で実刑判決を受けてしまった場合などには、控訴を検討することになります。

控訴とは、第一審判決に対する不服を上級審に申立てることをいいます。刑事事件では、第一審が地方裁判所であっても簡易裁判所であっても、控訴審は高等裁判所になります。控訴は、第一審裁判所に控訴申立書を指し出すことによって行います。控訴は、裁判が告知された日(判決の日)から14日以内にしなければなりません。

 

 

控訴する場合の注意点

逮捕のイメージ画像国選弁護人制度を利用している場合、勾留段階から選任されていた国選の弁護士は、第一審判決とともに国選弁護人から外れることが一般となっており、被告人が控訴した場合には、新たな国選弁護人が選任されることになっています。そのため、新たな弁護人との間で再度信頼関係を構築する必要があります(私選で弁護士を選任していた場合には、引き続きサポートをすることが可能です)。

また、新たに国選弁護人が選任されたとしても、勾留段階からの国選弁護には消極的である弁護士が多いという現状があります(私選で弁護士を選任すれば、その恐れは格段に小さくなります)。国選弁護人制度を利用する場合は、控訴段階において弁護士による十分なサービスを受けることができるかは運次第といった面があります。

平成27年度の司法統計によりますと、平成27年度の控訴は6078件にのぼりますが、破棄自判されたケースは570件、破棄差戻しされたケースは19件にとどまります。すなわち、第一審判決が変更される可能性は、約10パーセントにとどまっているのです。そのことを念頭に置いた上で、控訴する必要があります。

第一審判決が維持されることが多い理由は、控訴審は、起訴された事件について審理を1からやり直す手続ではなく、第一審の判決内容が不当かどうかを審理する場であるからです。短時間の審理で終了することも多いですし、証拠の提出等にも制限があるのです。

 

 

私選弁護への切り替えについて

無罪のイメージイラストですが、諦めてはいけません。自らの名誉を守るためにも、無実の罪を着せられるのは、何としてでも封じなければなりません。不当に過大な刑を科され長期間刑務所に入るのも、家族のため、自分のために何としてでも封じなければなりません。そのために被告人にできることは、国選弁護人制度の利用をやめ、刑事事件に注力する弁護士を選任することです。

第一審判決に一見して明白な判断ミスがあるのでない限り、控訴審で逆転判決を獲得するためには、論じる視点を大きく変えたり、示談等を成立させて状況を変動させたりする必要があります。第一審判決が不当であることを説得的に論じる書面を裁判所に提出し、何件もの控訴事件を取り扱う高裁裁判官に、「この控訴趣意書は違う。この事件は気になる」と思わせることが肝心です。

そのためには、弁護士が刑事事件に熱意を持ち、さらに実力を持ち合わせえていなければなりません。当事務所には、刑事事件に注力する弁護士が所属しています。
まずは当事務所に、お気軽にご相談ください。

 

 

上告とは

上告とは、高等裁判所がした控訴審判決に対する上訴のことをいいます。

ただし、例外的に、高等裁判所がした第1審判決に対するものもあります。

また、憲法違反の判断等を含む地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所がした第1審判決に対しては、直ちに上告が認められる場合もあります(刑訴法406条)。

上告する場合の注意点

控訴審判決が宣告され、これに不服の場合は、上告の是非を検討しなければなりません。

 

その際、下表の上告理由(刑訴法405条)や職権破棄理由(刑訴法411条)の存否を検討することとなります

上告理由 職権破棄理由
一 憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること。

二 最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。

三 最高裁判所の判例がない場合に、大審院若しくは上告裁判所たる高等裁判所の判例又はこの法律施行後の控訴裁判所たる高等裁判所の判例と相反する判断をしたこと。

一 判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること。

二 刑の量定が甚しく不当であること。

三 判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があること。

四 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。

五 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。

 

上告審は、控訴審よりも審理の対象が限定されるため、控訴趣意書の場合にも増して、上告趣意書の作成が最も重要な弁護活動となります。

 

 

上告の手続

上告をするには、申立書を控訴審裁判所に提出して行います。

上告の提起期間は、判決が告知された日の翌日から起算し14日間ですので、期限を過ぎないように注意が必要です。

 

 

上訴のまとめ

以上、上訴について解説しましたがいかがだったでしょうか。

裁判所の判決を覆すのは決して簡単ではありません。

しかし、判決内容に納得がいかない場合、すぐに諦めるのではなく、「覆す可能性」について十分検討すべきです。

しかし、「覆す可能性」については、刑事事件に精通した弁護士でないと、適切な判断ができないと思われます。

そこで、可能であれば、刑事事件専門の弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

当事務所は、刑事事件の相談に対しては、刑事事件に注力する弁護士のみで構成される刑事事件チームがサポートしております。

お悩みの方は、当事務所の刑事事件チームまで、お気軽にご相談ください。

ご相談の流れはこちらからどうぞ。

 

 

 

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

実績紹介 / 刑事事件の相談件数年間200件超え(2019年実績)を誇るデイライ

ト法律事務所の代表弁護士。法律問題に関して、弁護士や市民向けのセミナー講

師としても活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおいて法

律問題についての取材実績がある。「弁護士プロフェッショナル」等の書籍を執

筆。


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