贈賄罪について

贈賄罪とは何か

刑法は、その第197条から第197条の4までの4つの条文で、収賄罪の規定を設けています。

収賄罪の中で最も基本的な条文は以下のように規定しています。

収賄罪

第197条1項
公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。この場合において、請託を受けたときは7年以下の懲役に処する。

弁護士賄賂とは、職務に関する行為の対価としての不法な利益のことを指します。

判例上、有形・無形を問わず、人の需要・欲望を満たすに足りる利益はすべて賄賂となりうる利益に該当することになります。

つまり、金品のみならず、異性間の情交や、値上がり確実な未公開株式を公開価格で取得できる利益などもこれに含まれることになります。

近時の判例では、私企業の非常勤顧問となり、顧問料としての金員の供与を受けた事案について、顧問として一定の勤務実績があり、顧問としての実態が全くなかったとはいえないとしても、賄賂に該当すると判断されたものがあります(最判平成21年3月16日)。

また、なかなか売れなかった土地を時価相当額で業者に買い取らせた行為について、土地の売買による換金の利益が賄賂にあたると判断された事案もあります(最判平成24年10月15日)。

以上のとおり、収賄罪は、賄賂を受け取る「公務員」が主体(被疑者・被告人)となる犯罪です。

その「公務員」に対して、賄賂を提供する者が、贈賄罪の主体となります。

以下のような規定があります。

刑法

第198条
第197条から第197条の4までに規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、3年以下の懲役又は 250万円以下の罰金に処する。

 

なぜ贈賄・収賄は処罰されるのか

贈賄・収賄(以下、贈収賄といいます)はなぜ処罰対象とされているのでしょうか。

最高裁昭和34年12月9日判決は、以下のように判示しています。

判例 贈収賄事件の裁判例

「公務の威信と公正を保持すべき必要のあることは他言を要せず、いやしくも公務の執行に対し国民の信頼を失うがごときことがあってはならない。それ故、もし公務員の職務に関して、金銭その他の利益による賄賂を伴うようなことがあれば、その職務の威信と公正は害せられ、職務の執行に対する信頼の失われるに至ることは明瞭である。」

【最高裁昭和34年12月9日判決】

木槌ここからわかるのは、贈収賄の処罰目的が、①公務員の職務行為の威信と公正を保持すること、②公務員の職務行為に対する国民の信頼を保持することであるということです。

 

 

弁護方針

贈収賄を認める場合

賄を認める場合、贈賄を行った者については懲役3年以下の懲役または250万円以下の罰金に処される可能性がありますから、収賄を行った者については、単純収賄の場合でも5年以下の懲役に処される可能性が早急に弁護活動を開始する必要があります。

賄の被害者は、一般国民というべきでしょう。

公務員が賄賂を受け取り、場合によっては賄賂によって許認可等の判断を贈賄者に有利に変更する、という社会は、一般国民にとって、決して住みよいものではないでしょう。

贈賄を行った側については、賄賂を贈ったことにより得た許認可等の優遇行政処分については辞退をすべきでしょうし、既に恩恵を受けてしまっている場合には、得た利益の金額を算出し、その金額を自らのものとせず、場合によっては贖罪寄付のような方法も検討すべきでしょう。

また、世間を賑しているような場合には、正式に記者会見等を開き、謝罪をすべきでしょう。

記者会見を行う場合、弁護人として同席サポートもいたします。

当事務所には、企業法務チームと刑事事件チームが設置されており、贈賄罪の嫌疑をかけられている企業・取締役等の方を力強くサポートすることが可能です。

収賄を行った側については、相手方から受け取ったのが金銭的利益など返還できるものであるような場合は、相手方に返還したり、贖罪寄付を行ったりすることが考えられます。

 

贈収賄罪を争う場合

贈収賄は、職務に関連して公務員に賄賂を提供した場合に成立するものですから、「職務に関連して」お金の授受がなされたわけではないケースでは、贈収賄には該当しません。

なお、賄賂罪における「職務」とは、公務員の一般的職務権限に属するものに加え、職務と密接に関連する行為をも包含しています。

そのため、公務員としての職務に密接に関連する行為を行うに際して、利益を収受等した場合、贈収賄が成立することになります。

弁護士ですので、贈収賄の成立を争う場合は、早急に弁護士を選任し、何らかの利益を与えたとしても、それは職務に関連のない行為に関するものであったことや、そもそも贈賄の故意がないことなどを示す証拠を、豊富に収集することが重要です。

また、特に会社の役員や社員等が贈賄を行ったと疑われてしまえば、それだけで会社の信用等を大きく損なうことに繋がります。

そのため、早急に記者会見を開くなどして、贈賄の疑いを払拭する必要があります。

弁護士牟田口裕史当事務所は、記者会見に同席するなどし、企業様が信用を失わないように最大限のサポートをすることが可能です。

贈賄罪の嫌疑をかけられお困りの方々は、まずはお気軽に当事務所にご連絡ください。

当事務所の相談の流れはこちらからご覧ください。

 

 

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