脅迫、強要、恐喝について

掲載日:2020年4月6日|最終更新日:2020年4月6日

脅迫とは何か

絶望脅迫とは、生命、身体、自由、名誉、財産に対して害を加える旨を告知することです。

相手を畏怖させる程度の害悪の告知であることが必要とされています。

「殺すぞ」、「殴るぞ」、「家を燃やすぞ」等と繰り返し述べたり、メールを送ったり、手紙を送りつけたりする行為が脅迫に当たります。

脅迫罪と似た犯罪として、強要罪があります。

こちらは、脅迫して、人に義務のないことを行わせようとした場合などに成立します。

例えば、「海に飛び込まないと殺すぞ」等と脅すように言う行為がこれに当たります。

刑法第222条1項に「生命、身体、自由、名誉、又は財産に対し害を与える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」、2項に「親族の生命、身体、自由、名誉、又は財産に対し害を与える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。」という規定があります。

これが脅迫罪といわれるものです。

 

 

強要罪とは何か

「強要」とは、脅迫や暴行といった手段によって、他人に義務がないことを行わせたり、権利の行使を断念させたりすることをいいます。

脅迫の内容としては、脅迫罪と同様に、強要を受けた人やその親族の生命、身体、自由、名誉、財産に対して害を加えることを告知するものが必要となります。

例えば、「土下座しないとこの店を潰すぞ」等と脅して謝罪を求めようとする行為や、「殺されたくなかったらコンクールへの出場を取りやめろ」等と脅して大会等に出場する権利の行使を妨害しようとする行為が該当します。

刑法第223条1項に、「生命、身体、自由、名誉、又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。」と定められており、同条2項に、「親族の生命、身体、自由、名誉、又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。」と定められています。

 

 

恐喝罪とは何か

恐喝罪について、刑法第249条1項は、「人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」と定めており、同条2項は、「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。」と定めています。

借金返済この条文に書かれている「恐喝」とは、財産の交付を目的として行われる暴行や脅迫のうち、相手方が反抗できる可能性があるもののことをいいます。

暴行や脅迫の程度が、相手方が反抗をすることが出来ないようなものになると、強盗罪(刑法第236条)として扱われます。

恐喝罪における「脅迫」は、脅迫罪や強要罪の実行行為であるものと異なり、相手方又はその親族の生命、身体、自由、名誉または財産に対するものには限られないという違いがあります。

そのため、勤務先の会社の上司・部下等に対して害悪を及ぼす旨の内容であっても恐喝罪は成立します。

また、脅迫の内容が実際に実現可能であるかどうかも犯罪の成立には関係ありません。

権利の行使に過ぎない場合でも恐喝罪になる可能性がある?

借金をなかなか返してくれないときに、借金の返済を求める行為自体は権利の行使に過ぎません。

このような場合について、判例では以下のような判断をしています。

判例 借金の返済を求める行為についての裁判例

「他人に対して権利を有する者が、その権利を実行することは、その権利の範囲内であり且つその方法が社会通念上一般に忍容すべきものと認められる程度を超えない限り、何来訪の問題を生じないけれども、右の範囲程度を逸脱するときは違法となり、恐喝罪が成立することがある」

【最判昭和30年10月14日】


上記のように判断されており、社会的相当な手段であれば恐喝罪に問われることはありません。

例えば、借金を返さない人に強く返済を迫るだけでは恐喝罪となることはありませんが、「早く返さないと家族がどうなっても知らないぞ」等の脅迫行為を手段として返済を求めた場合には恐喝罪となる可能性があるということです。

 

 

弁護方針

犯行を認める場合

脅迫罪等の容疑がかけられている場合、被害者との関係性や行為の悪質性によっては逮捕される可能性が十分にあります。

そのため、まずは逮捕・勾留をされた場合に早期に釈放されることが目標となります。

逮捕・勾留による身体拘束は、最長で23日間にも及びますので、その間に会社を解雇されるリスクも生じます。

脅迫罪等で身体拘束がされる理由の多くは、被害者に対して働きかけを行って証拠隠滅を図るのではないかという点にあります。

そのため、早期釈放を目指すのであれば、被害者と示談を成立させ、証拠隠滅を図る動機も必要性も存在しないことを示すことが極めて重要になります。

不起訴いずれも脅迫等を受けた被害者個人に対する犯罪ですので、被害者が許した場合には処罰の必要性が低下し、不起訴処分となる可能性も高くなります。

身体拘束をされている場合はもちろん、在宅事件として捜査が進む場合でも被疑者が被害者と直接連絡を取ることは不可能です。

そのため、早期釈放や不起訴処分を目指すのであれば、弁護士が迅速に示談交渉を行う必要があります。

弁護士の技量と熱意によって、大きく示談交渉は影響を受けますので、刑事事件に注力した弁護士を選任することが重要といえます。

 

犯行を否認する場合

たとえば、録音した発言の一部のみを切り取られて脅迫等の被害届を出されているような場合、その前後の発言についても考慮するべきであることや、両者の関係性や事案の経緯から脅迫等は成立しないと主張することになるでしょう。

秘匿有利な証拠を豊富に収集し、検察官や裁判官にそれらを示して釈放や不起訴処分、無罪判決の獲得を目指すことになります。

証拠の収集や主張は、弁護士の熱意・技能が現れる部分ですから、刑事事件に注力した弁護士を選任することが重要といえます。

脅迫等で取り調べを受けている方、そのご家族など、お困りの方はまずは当事務所にお気軽にご相談ください。

 

 


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